名前:川合布公帆(M1)楊(M1)伊藤沙弥香(B4)
概要:
龍蔵院庭園を見学する中で、水源が枯れたことによって、池が枯山水のような状態になっていることがわかった。これはレインガーデンのような機能をもっているのではないかと考え、枯山水におけるレインガーデン効果について調べることにした。
枯山水のレインガーデン効果について調べる上で、「相国寺裏方丈庭園枯流の雨水管理機能評価」(http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00897/2018/14-0109.pdf) の方法を参考した。
まず、枯山水のレインガーデン効果について調べる発端となった、龍蔵院庭園の治水量を調べた。奈良県の年間降水量の平均を年間降水日数で割った値を一日平均降水量とした。空隙率を40%、庭園の元池の深さを300mmと推定し、集水される雨量と治水量を求めた。計算すると治水量率は50%となった。よって平均的な降水量であればこの池に集水され、溢れることなく排水されていることが分かった。
次に、見学する中で排水の問題があった木屋の庭園に注目し、既存の排水溝(砂利で覆われている)の深さを変えることでレインガーデン効果によってどのくらいの変化が表れるか調べた。
今の排水溝の深さを100mmと仮定して、深さ300mmの場合との変化をみる。
集水される平均的な降水量→0.77
100mmの場合→0.371
300mmの場合→1.113
よって、深さ100mmだと雨水は溢れるが、300mmにすると治水率約70%になり、雨水が溢れることなく排水出来ることが分かった。
枯山水は庭園としての魅力だけでなく、レインガーデンとしての効果をもつ可能性があるといえる。またこれからの都市の雨水排水やレインガーデンのデザインにおいてグリーンインフラとして枯山水から学べることがあるかもしれない。