奈良女子大学・根本研究室との共同研究
「奈良の庭と森蘊の系譜」

現在、ランドスケープデザインを専攻している大学生は奈良の庭をどうみているのか?その中でも、森蘊が戦後に作った庭をどう読みとるのか?また、奈良市で活躍され、森蘊の系譜を継ぐ庭師たちの庭をどう感じるのか?そこから何を学ぶのか?
このようなことを考えながら、今回は奈良女子大学生活環境学部住環境学科の根本哲夫先生と一緒に、庭の見学会を企画しました。
2022年3月中旬に見学会を2回行ないました。2回とも雨で傘をさしながら歩きまわることになりましたが、濡れた苔の艶やかな色と優しい雨の音を愉しみながら、寺院や個人宅や店舗など、合計6箇所の庭を巡りました。現地では、森蘊のもとで働いた庭師やその系譜を継ぐ庭師たちの案内によって、実際の庭づくりや庭仕事について考えることができました。
その経験に基づいて、学生たちはグループ分けをして関心のあるテーマについて深掘りしました。歴史や作庭、グリーンインフラやアメニティーとしての庭などと、それぞれのグループは森先生の業績や奈良の庭園の異なる側面に光を当てました。
2022年7月8日に奈良女大学で発表会を開き、学生は研究の成果は紹介しました。それぞれの発表の内容はこのページに簡単にまとめていますので、是非ご覧ください。

追記:今回の見学会と発表会を実施するに当たって、多くの人にお世話になりました。根本哲夫先生を紹介してくれた奈良文化財研究所文化遺産部文化的景観研究室の惠谷浩子さん、東大寺龍蔵院の元住職・橋本聖圓先生、庭師の牧岡生一さん、土屋裕さん、大岸禄弥さん、また庭園所有者のみなさんにはこの場を借りて、改めてお礼申し上げます。お陰様でより深い学びの場を提供することができました。どうもありがとうございました。

■企画
奈良女子大学 生活環境学部住環境学科 根本哲夫
京都産業大学 文化学部京都文化学科 エマニュエル・マレス

■庭園見学1
日時:2022年3月18日(金)12:30~17:00
テーマ:森蘊の庭(奈良の庭・昭和編)
12:30:根本研究室にて30分程度導入レクチャー(発表者:マレス)

場所1:東大寺龍蔵院庭園見学/奈良県奈良市雑司町406−1
案内:元住職・橋本聖圓/庭師・牧岡生一


場所2:森蘊庭園研究室(森蘊旧宅)見学/奈良市六条1丁目19-21
案内:庭師・牧岡生一


■庭園見学2
日時:2022年3月31日(木) 10:00~16:00
テーマ:土屋裕と大岸禄弥の庭(奈良の庭・平成/令和編)
案内:庭師・土屋裕/大岸禄弥

場所1:西村邸庭園/奈良市花園町20(土屋氏の作庭) https://nishimuratei.com


場所2:西紀寺町の長屋庭園/奈良県奈良市西紀寺町27(大岸氏の作庭)


場所3:木屋庭園/奈良市紀寺町911(土屋氏の作庭) https://www.kusakouji.com/kiya


場所4:高畑町の町家庭園/奈良県奈良市高畑町(大岸氏の作庭)


■発表会
日時:2022年7月8日(金)14:00〜16:00
場所:奈良女子大学 F棟 生活環境学部中会議室
審査:根本哲夫/エマニュエル・マレス/土屋裕/大岸禄弥


発表1:「枯山水のレインガーデン効果」
発表2:「森蘊が見た寝殿造系庭園とは」
発表3:「受け継がれる森蘊らしさ」
発表4:MORI OSAMU’s ASOBI SCRAP
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